ギリシャ神話における「サメ」の意味や逸話

 

ギリシャ神話では、サメは他の海の怪物や動物ほど頻繁には登場しませんが、恐怖や海の猛威を象徴する存在として特別な意味が込められています。サメは「無慈悲な捕食者」として、荒ぶる海そのものを象徴し、ポセイドンやその眷属がもつ暴力的な側面を表す動物だったのです。

 

例えば、英雄ヘラクレスが十二の功業に挑む物語の中に、サメを象徴する逸話があります。彼が挑む強敵たちは荒海に生きるサメのように冷酷で凶暴な者もおり、ギリシャ人たちはそうした「サメ的な」存在を、試練や恐れを引き起こす海の生き物の象徴としてみなしていたのです。

 

また、海の神ポセイドンに祀られる生物の中にも、サメを含む危険な魚類が登場します。ポセイドンの怒りが荒れ狂う海や嵐となって現れると、船乗りたちは「サメ」を連想し、無慈悲な海の力を恐れたといわれています。