ギリシャ神話における「孔雀」の意味や逸話

 

ギリシャ神話では、孔雀は女神ヘラの「聖なる象徴」として登場し、美しさや権威、そして監視の目を象徴する動物です。孔雀の鮮やかな羽に並ぶ「目」は、ヘラが特に持つ嫉妬心や監視の力と関連付けられているのです。

 

この逸話の背景には、巨人アルゴスの物語があります。アルゴスは全身に百の目を持つ巨人で、ヘラの命を受けてゼウスの愛人イオを見張っていました。ゼウスはイオを救うためアルゴスを倒し、悲しんだヘラは彼の目を孔雀の羽に移し替えたとされています。

 

こうして孔雀は、ヘラの監視力や忠誠を象徴する動物となり、女神の権威とともにギリシャ神話で特別な存在として描かれるようになったのです。孔雀の羽に散りばめられた目は、ヘラがあらゆる方向に目を光らせ、ゼウスを含むすべてを見張る存在であることを示しているわけですね。