ギリシャ神話における「蝶」の意味や逸話

 

ギリシャ神話において、は「魂」や「変容」の象徴とされ、その儚さと美しさから特別な意味を持っていました。古代ギリシャ語で「蝶」を意味する「プシュケー(ψυχή)」は、「魂」を表す言葉でもありました。このため、蝶は魂が姿を変えたものとされ、死後の世界に向かう魂を象徴する存在と考えられていたのです。

 

蝶の象徴として特に有名な逸話には、美と愛の女神アフロディテと、人間の女性プシュケの物語があります。

 

プシュケはその美しさからアフロディテの息子エロスに見初められますが、様々な試練の末に愛を貫き、ついに神々によって不死の存在にされました。プシュケの名は「魂」を意味し、彼女が神々に認められる過程が蝶の変態や再生と重ねられることから、蝶は「変容の象徴」として広く知られるようになったのです。

 

この神話により、蝶は「美と魂の象徴」「変容と再生のシンボル」として今も語り継がれています。また、ギリシャの墓標や装飾には蝶が刻まれることが多く、死後の魂の安らぎや転生の象徴としても特別な意味を持っているのです。