ペネロペのエピソードまとめ

ペネロペは、ギリシャ神話の英雄オデュッセウスの妻で、知恵と忍耐を象徴する女性です。彼女はオデュッセウスの長い不在中、夫を待ち続け、数々の試練を乗り越えてきました。以下に、ペネロペの代表的なエピソードをまとめました。

 

 

夫オデュッセウス不在中にみせた忠誠

ペネロペは、トロイア戦争に出かけたオデュッセウスの帰りを待つため、20年間も彼の帰還を信じ続けました。しかし、オデュッセウスの不在中、彼女のもとには多くの求婚者が押し寄せ、ペネロペに再婚を迫ります。それでもペネロペは夫が生きていると信じ、再婚を拒否し続けたのです。このエピソードは、ペネロペの忠誠心と揺るぎない愛を象徴しています。

 

織物による再婚引き延ばし策略

『オデュッセウスの帰還』/1509年頃 ピントゥリッキオ作
ギリシャ神話のオデュッセウスの妻ペネロペが求婚者たちに囲まれながら織物を織る姿を描いた作品。

 

求婚者たちの圧力に困ったペネロペは、「織物が完成するまで再婚はしない」と誓いを立てますが、毎晩織った布をほどいては織り直すという策略を続け、再婚を引き延ばしました。昼間に織り、夜に解くことを繰り返すことで、求婚者たちを長期間にわたって騙し続けたのです。この策略が見破られるまでの3年間、ペネロペは知恵を駆使しながらも夫の帰りを信じて待ち続けました。

 

オデュッセウスの帰還と「弓の試練」

オデュッセウスが帰還したとき、彼は乞食に変装して屋敷に忍び込みます。ペネロペは、彼が本物の夫であるか確信が持てないため、「オデュッセウスの弓を使って12本の斧の輪を射抜ける者と再婚する」と告げ、求婚者たちに試練を課しました。求婚者たちが失敗する中、変装したオデュッセウスが見事に弓を引き、斧の輪を射抜いたのです。これにより、ペネロペはオデュッセウスが本物であると確信し、ついに再会を果たします。

 

再会後の「ベッドの試験」

オデュッセウスが本当に夫であるかを確かめるため、ペネロペは最後の試練として「ベッドの試験」を行います。ペネロペは、オデュッセウスの作った夫婦のベッドについて「移動する」と言って彼を試しますが、オデュッセウスは「ベッドは動かせない」と即答しました。このベッドは動かせない構造になっており、二人だけの秘密でした。こうしてオデュッセウスが真実を知っていることを確信したペネロペは、ようやく夫との再会を信じ、涙ながらに喜びを分かち合ったのです。

 

 

 

このように、ペネロペは夫オデュッセウスへの深い愛と知恵によって長きにわたる試練を乗り越え、最後まで夫を信じ続けました。その姿は、忠実で賢明な妻としてギリシャ神話において広く尊敬されています。

 

こうしてみると、ペネロペの知恵と忍耐力は、愛する人を信じ続ける強さを物語っていますね!