ギリシャ神話の「美少年」といえば?

ギリシャ神話で「美少年」といえば、ナルキッソスガニュメデス、そしてアドニスが代表的です。彼らは、その端麗な容姿ゆえに神々に愛される存在であり、さまざまな運命や悲劇に巻き込まれることとなりました。

 

まずナルキッソスは、美しさを持ちながら他者を冷たく拒んだため、自らの美しい姿に恋をする呪いをかけられた少年です。彼は水面に映った自身の姿に恋焦がれ、やがて力尽きてしまいます。この伝説から「ナルシシズム」の語源となりました。

 

Narcissus by Caravaggio

Narcissus by Caravaggio/1597-1599
自分の姿に恋をするナルキッソスを描いた作品。自己愛と哀愁が感じられる。
(出典:Wikimedia Commons Public Domainより)

 

そしてガニュメデスは、類まれな美貌を持つトロイアの王子で、ゼウスに見初められてオリンポスに連れて行かれました。彼は神々の酒であるネクタールを注ぐ給仕として仕えるようになり、永遠の若さと美を与えられたと伝えられています。ガニュメデスの逸話は、若さや美の象徴としても広く知られています。

 

アドニスもまた美しい少年で、愛と美の女神アフロディテに深く愛されました。彼は狩猟中に猪に襲われ命を落としますが、その死にアフロディテが嘆き悲しみ、彼の名は美しさと儚さの象徴として後世に語り継がれるようになりました。

 

このように、ギリシャ神話の「美少年」たちはその美しさが運命を左右し、神々との愛や悲劇を通して神話の重要な存在となっているのです。