ギリシャ神話において「最高神」とされるのは、やはりゼウスです。しかし、単に「神々の王」というだけではなく、他にも複雑な役割と歴史的な背景を持っており、彼が最高神とされる理由には多くの要素が絡んでい
ギリシャ神話における「正義の女神」といえば、テミスが代表的です。テミスは「正義」や「秩序」を象徴する女神であり、特に神々や人間の間に公平さをもたらす存在として信仰されていました。彼女はゼウスの側近であり、神々の集まりで助言をする役割も担っていました。テミスは法や規範、調和を守り、争いを避けるための知恵を持つ神で、秩序が保たれた社会の象徴ともされています。
テミスの象徴としては、天秤と剣がよく用いられます。天秤は公平な裁きやバランスを意味し、剣は正義を実現するための力を表します。テミスの持つ天秤は、正しいことと不正なことを量ることで、すべての存在に公平であることを示しているのです。彼女の姿は後世における「正義の女神」のイメージにも影響を与え、現代でも法や司法の象徴として語り継がれています。
Themis
ベルギーにある正義の女神テミスの銅像。公平無私の正義を表すバランスの秤と目隠しが特徴的。
(出典:Wikimedia Commons CC0 1.0より)
また、ディケーも正義を司る女神として知られています。ディケーはテミスの娘であり、人間の間で起こる不正を監視し、悪事を罰する役割を持っています。彼女は特に人間社会における道徳的な正義を守る存在とされ、真実と正義が守られることを重要視しています。ディケーは人間の不正を許さない厳格な神で、彼女の監視は人々に正しい行いを促すものとして意識されていました。
このように、テミスとディケーはそれぞれ異なる側面で「正義」を司り、ギリシャ神話において社会秩序や道徳の守護者として重要な役割を果たしていました。