The Owl of Athenaアテナーのシンボルであるフクロウが描かれた作品。知恵の女神としてのアテナーの象徴(出典:Wikimedia Commons CC BY 2.5より)
ギリシ
ギリシャ神話では、狐は「決して捕まらない存在」として登場し、特にテウメッソスの狐が有名です。この狐は、神々が罪を犯した都市テーベに罰として送り込んだ怪物で、どんな猟犬をも振り切って逃げ去る能力を持っていたため、「捕らえられない運命」を背負った生き物とされていました。
テーベの人々は頭を悩ませ、最後にはクレタ島から「決して逃がさない猟犬」ライラプスを呼び寄せ、テウメッソスの狐を追わせます。しかし、「捕まえられない狐」と「必ず捕まえる犬」の矛盾する運命が対峙したことで、事態は収拾がつかなくなり、最終的にゼウスが介入し、二匹とも石に変えてしまったと伝えられています。
この不思議な決着によって、狐は「巧妙さ」と「捕まえられない存在」の象徴として神話に残ることになったのです。