ギリシャ神話における「美しい神・女神」といえば、まずアフロディテが最も有名です。アフロディテは「愛と美の女神」として広く崇拝され、その容姿の美しさは神々や人間を魅了するほどでした。彼女は海の泡から生まれたとも言われ、輝くような美貌と魅力を持ち、愛や情熱、豊穣を司っています。アフロディテは美の象徴であると同時に、恋愛をもたらす神としてもギリシャ神話で重要な存在とされています。

コンスタンチン・マコフスキー作『パリスの審判』
トロイの王子パリスがヘラ、アテナ、アフロディテの中で最も美しい女神を選ぶことを求められた神話。アフロディテが最終的に勝利し、ヘレンの愛をパリスに約束した。
（出典：Wikimedia Commons Public Domainより）

また、アポロンも「美しい神」として知られています。アポロンは太陽や音楽、詩、予言を司る神で、彼の容姿は完璧で調和のとれた美しさを持ち、ギリシャ神話では「理想の青年美」を象徴しています。アポロンの美しさは外見だけでなく、彼が司る芸術や知識、そしてバランスの取れた性格にまで及んでおり、心身の美を兼ね備えた神として崇拝されています。

さらに、ヘレネも「美しき女神」として神話に登場します。ヘレネは人間でありながら、その美しさゆえに神格化された存在で、トロイア戦争の原因となったほどの魅力を持つ女性です。「最も美しい女性」と称されるヘレネの美しさは、ギリシャ神話における美の基準とされています。

このように、アフロディテ、アポロン、そしてヘレネは、それぞれ異なる形で「美」を象徴し、ギリシャ神話において神々や人間の世界に大きな影響を与えているのです。