The Owl of Athenaアテナーのシンボルであるフクロウが描かれた作品。知恵の女神としてのアテナーの象徴(出典:Wikimedia Commons CC BY 2.5より)
ギリシ
意外に思うかもしれませんが、ギリシャ神話では猫についての直接的な言及や重要な役割はほとんど見られません。
ギリシャ神話における猫の扱いが少ない理由としては、古代ギリシャでは猫が他の文化ほど広く普及していなかったことが挙げられます。当時、ネズミ駆除などに用いられる小動物としては、イタチやマングースなどの方が一般的であり、猫が日常的に人々の暮らしに浸透していなかったためです。
ただ、少数の神話的な記述や伝承には、猫に似た小動物が登場することがあります。
猫が広く信仰されたエジプト神話とは対照的に、ギリシャでは猫に対する神聖なイメージや象徴性はほとんど発展せず、ギリシャ神話において猫が重要な象徴となることは少なかったのです。
ギリシャ人が猫を本格的に飼育し始めたのは、エジプトとの交流が深まったヘレニズム時代以降とされており、それ以降は猫も徐々にギリシャの文化に親しまれるようになったと考えられます。