ギリシャ神話で「美少年」といえば、ナルキッソス、ガニュメデス、そしてアドニスが代表的です。彼らは、その端麗な容姿ゆえに神々に愛される存在であり、さまざまな運命や悲劇に巻き込まれることとなりました。
ギリシャ神話において、「暴食」として特に有名なキャラクターはティティオスです。彼は巨人族で、ゼウスとレートーの恋路を邪魔しようとして罰を受け、死後は冥界で残酷な刑に処されることになります。その刑罰は、永遠に肝臓をハゲタカに啄まれ続けるというもので、「果てしない苦痛」や「食べられる罰」としての暴食の象徴となりました。
また、ゼウスの子であるタンタロスも、暴食と罰の物語で知られています。タンタロスは神々を試そうと息子を料理して供したため、冥界で「食べ物に手が届きそうで届かない」永遠の飢えと渇きの罰を受けることになりました。これもまた、ギリシャ神話における「暴食」のテーマを感じさせます。
『苦しみのタンタラス』17世紀ジョアッキーノ・アッセレート作
自らの息子を料理し神々に食わせようとした罰で、永遠の罰を受けるタンタロス(出典:Wikimedia Commons Public Domainより)
ギリシャ神話では、暴食や度を超えた欲望は神々の怒りを招き、特に「終わらない罰」として描かれることが多いのです。こうした物語は「人間の欲望が限度を超えると必ず罰が待っている」という教訓を伝えようとしているわけです。