ギリシャ神話の「パリスの審判」伝説とは

パリスの審判」は、ギリシャ神話の中で非常に重要なエピソードの一つであり、壮絶な戦争の引き金となった出来事です。この審判により、後にトロイア戦争が勃発し、数々の英雄や神々がその運命に巻き込まれていくことになります。では、なぜ「最も美しい女神」を決める審判が戦争の発端となったのでしょうか?本記事では、「パリスの審判」の背景から顛末、そしてその後の影響について詳しく探っていきます。

 

 

伝説の登場人物

「パリスの審判」に関わる主要な登場人物は以下の通りです。

 

パリス:トロイアの王子であり、神々の審判を任された人物。美の女神アフロディテからの約束を受け入れ、争いの火種を生み出しました。
ヘレネ:スパルタの王妃であり、最も美しい女性とされた人物。彼女の存在がトロイア戦争の引き金となりました。
アフロディテ:愛と美の女神で、パリスに「最も美しい女性を与える」と約束しました。
ヘラ:ゼウスの妻であり、力と権力を約束してパリスの審判に挑みました。
アテナ:知恵と戦いの女神で、知恵と勝利を約束して審判に臨みました。

 

伝説の背景

「パリスの審判」の発端は、不和の女神エリスによる策略に始まります。エリスはある神々の結婚式に招かれなかったことに怒り、「最も美しい女神に」と書かれた黄金の林檎を結婚式の宴席に投げ込みました。このことで、アフロディテヘラアテナの三女神が林檎を巡って争い始めます。この三女神の中から「最も美しい女神」を決めることが、トロイアの王子パリスに委ねられました

 

三女神はそれぞれ、自分に投票してもらうためにパリスに報酬を約束します。ヘラは「権力」を、アテナは「知恵と戦いの勝利」を、そしてアフロディテは「最も美しい女性」を授けると提案しました。

 

伝説の顛末

The Judgement of Paris by William Etty

コンスタンチン・マコフスキー作『パリスの審判』
トロイの王子パリスがヘラ、アテナ、アフロディテの中で最も美しい女神を選ぶことを求められた神話。アフロディテが最終的に勝利し、ヘレンの愛をパリスに約束した。(出典:Wikimedia Commons Public Domainより)

 

パリスは、三女神の約束の中で、アフロディテが与えると約束した「最も美しい女性」を選ぶことを決意しました。この女性こそが、スパルタの王妃ヘレネであり、彼女は既にスパルタ王メネラオスの妻でしたが、パリスはアフロディテの助けを借りてヘレネをトロイアに連れて行きます。この出来事がスパルタ王メネラオスの怒りを買い、メネラオスは兄であるギリシャ連合軍の司令官アガメムノンと共に、トロイアへの報復を決意したのです

 

三女神の選択

ヘラ、アテナ、アフロディテの三女神は、それぞれ自身を選ぶようパリスに働きかけました。しかし、愛の力と魅惑を武器にしたアフロディテが最終的にパリスの心を掴み、審判は彼女の勝利に終わりました。これが「パリスの審判」の決定的瞬間であり、彼の選択が後の悲劇を招いたといえるでしょう。

 

ヘレネの誘拐

アフロディテの助力を受けたパリスは、スパルタを訪れ、最も美しい女性ヘレネをトロイアへと連れ去ります。この出来事は、ギリシャ中に衝撃を与え、スパルタ王メネラオスは妻を取り戻すため、ギリシャの各都市国家に協力を求めました。このようにして、ギリシャ軍が結集し、トロイア戦争が勃発することになります。

 

トロイア戦争への布石

「パリスの審判」がきっかけとなり、10年にわたる壮絶な戦いが幕を開けました。ギリシャ軍はアガメムノンに率いられ、トロイアを包囲して数々の戦いが繰り広げられることとなりました。パリスの選択による一つの審判が、英雄たちの運命と国々の運命を大きく変えたのです。

 

伝説の影響

「パリスの審判」はギリシャ神話の中でも愛と争いが交差する象徴的なエピソードであり、後世にわたり文学や芸術で繰り返し描かれてきました。

例えば、ホメロスの『イーリアス』ではこの審判が戦争の背景として触れられ、さらにルネサンス期には絵画や彫刻においても多くの作品に影響を与えました。
この伝説は、愛が時として争いの原因にもなり得ることを示し、戦争の背後にある人間の複雑な感情を象徴していると言えますね。

 

以上、ギリシャ神話の「パリスの審判」についての解説でした!

 

ざっくりと振り返れば

 

  • エリスの策略で「最も美しい女神」を巡る争いが勃発した
  • パリスがアフロディテを選んだことが戦争の火種となった
  • この審判がトロイア戦争への大きな布石となった

 

・・・という具合にまとめられるでしょう。

 

ようは「パリスの審判は、トロイア戦争を招いた愛と争いの物語であった。」という点を抑えておきましょう!