ギリシャ神話における「クズ」エピソードまとめ

ギリシャ神話には、数多くの勇敢な英雄や壮大な冒険が描かれる一方で、「クズ」と思わず感じてしまうような神々や人間の行動も多く見られます。以下に、特に印象的な「クズ」エピソードをいくつかご紹介します。

 

 

ゼウス、狡猾な変身と浮気三昧

ゼウスは最高神でありながら、数々の女性との浮気を重ね、妻ヘラを悩ませる存在でした。彼は浮気相手に近づくために変身の力を用い、白鳥、黄金の雨、牛など様々な姿に変わって女性を誘惑しました。特に、アルクメネとの浮気では、アルクメネの夫に成りすまし、彼女に近づいてヘラクレスをもうけました。このようなゼウスの浮気癖と狡猾な変身は、しばしば神話の中で問題の原因となり、神々や人間たちの混乱を引き起こします。

 

タンタロス、子供を料理する

Tantalus by Giovan Battista Langetti

『苦しみのタンタラス』17世紀ジョアッキーノ・アッセレート作
自らの息子を料理し神々に食わせようとした罰で、永遠の罰を受けるタンタロス。ギリシャ神話屈指の「クズ」エピソードといえるだろう。(出典:Wikimedia Commons Public Domainより)

 

タンタロスは神々の宴に招かれるほどの地位にありながら、ひどい行動を取ったことで知られています。彼は神々の秘密を人間に漏らしたり、神々を試すために自分の子供ペロプスを料理し、神々に供するという忌まわしい行為を行いました。これに激怒した神々は、タンタロスに「永遠に飢え渇く」という罰を与え、果物や水に手を伸ばすとそれが逃げていくという地獄のような刑を受けさせました。タンタロスの行動は、傲慢さと無分別の象徴として知られています

 

ヘラ、夫の浮気相手をナイル川に捨てる

ゼウスの浮気相手たちに対するヘラの復讐心もまた、「クズ」と言われる行動を多く引き起こしました。特に、ゼウスとの浮気によって生まれた息子ヘルメスが成長し、他の神々にいたずらを働いた際、ヘラはヘルメスの母親であるマイアをナイル川に捨てたと言われています。ゼウスの浮気相手やその子供たちへの執念深い攻撃は、ヘラの嫉妬心が強すぎるあまりに理不尽な罰を与えるものとして描かれています

 

メデイア、浮気の復讐に子に手をかける

メデイアは夫イアソンの裏切りに対する復讐として、自分の子供を手にかけるという衝撃的な行動を取ります。イアソンが他の女性と結婚しようとしたことに深く傷ついたメデイアは、彼に最大の苦しみを与えるため、2人の間に生まれた子供たちを殺害しました。このエピソードは、裏切りに対する復讐の恐ろしさと、愛が執念に変わったときの恐ろしい結果を示しています

 

オデュッセウス、トロイア住民を虐〇する

知恵者オデュッセウスが仕掛けた「トロイの木馬」の策略は、勝利を収めるための狡猾な戦略として称賛される一方で、トロイアの住民に対する虐〇を引き起こしました。オデュッセウスとギリシャ兵は、木馬の中に隠れてトロイアに潜入し、夜のうちに都市を襲撃して無防備な住民たちを次々と殺害しました。この行為は残虐な策略の一例として語られ、勝利のために手段を選ばない冷酷さも感じさせます。

 

 

 

このように、ギリシャ神話には「クズ」と思える行動をとる神々や英雄も多く登場し、彼らの行動が人々の運命に大きな影響を与えているのです。

 

こうしてみると、ギリシャ神話には人間や神々のエゴや嫉妬、執念が生んだ行動が多く、物語の中に教訓的なメッセージが込められているのですね!