ギリシャ神話における「猫の神」といえば?

ギリシャ神話において、「猫の神」として直接崇拝された神はいません。しかし、ギリシャ神話における動物の守護神や猫に関連する神々を探ると、いくつか興味深い結びつきが見られます。

 

例えば、アルテミスが挙げられます。アルテミスは狩猟と自然を司る女神で、野生動物の守護者としても崇拝されていました。彼女は夜や月とも結びつきが深く、猫のように俊敏で神秘的な性質を持つ存在として描かれます。猫と同様に、アルテミスも自由で狩りを得意とし、夜の神秘に関わる女神であるため、猫の神聖なイメージと重ねられることがあります。

 

Seated Bastet

Seated Bastet
座位で描かれた猫の女神バステトの彫刻。家庭と繁栄の守護者であり、穏やかさと戦闘的な性質を象徴。
(出典:Wikimedia Commons Public Domainより)

 

また、古代エジプトの猫の女神であるバステトがギリシャ文化に伝わり、ギリシャとエジプトの神話が融合して信仰されることもありました。バステトはエジプトで猫と家庭を守護する女神であり、ギリシャ人にも広く知られていました。エジプトとギリシャは古代に文化的な交流があり、バステトの猫のイメージはギリシャ神話の女神像にも影響を与えたと考えられています。

 

このように、ギリシャ神話における猫そのものを司る神はいないものの、アルテミスやエジプトのバステトといった神々が、猫のイメージと結びつき、人々にとって神秘的な存在として親しまれていたのです。

 

こうしてみると、猫はギリシャ神話の中で神聖な動物として間接的に敬われ、その自由で神秘的な性質が神々のイメージと重ねられていたのですね!