ギリシャ神話において「最高神」とされるのは、やはりゼウスです。しかし、単に「神々の王」というだけではなく、他にも複雑な役割と歴史的な背景を持っており、彼が最高神とされる理由には多くの要素が絡んでい
ギリシャ神話における「馬の神」といえば、まずポセイドンが挙げられます。ポセイドンは海の神であると同時に「馬の神」としても崇拝され、馬とその起源に深い関わりを持つ神です。ギリシャ神話によれば、ポセイドンは地上で最初の馬を生み出した存在であり、「馬を創造した神」としても知られています。ポセイドンは荒々しい性格であり、海の波のうねりと馬の力強い躍動が共通していることから、彼の力が馬の象徴と結びつけられました。
Neptune’s Horses by Walter Crane/1910年
ポセイドン(ネプチューン)が海の波を馬として操る様子を幻想的に描いた作品。海の神の力と海の壮大さを象徴。
(出典:Wikimedia Commons Public Domainより)
また、ポセイドンは美しい馬に姿を変えて人間界に現れることもあったとされています。馬との関係が特に強調される神話のひとつに、「ポセイドンが最初の馬ペガサスを生み出した」という伝承もあります。ポセイドンはゴルゴンのメドゥーサとの間に翼を持つ神馬ペガサスをもうけ、ペガサスは後に英雄ペルセウスの冒険で重要な役割を果たすことになります。
さらに、ポセイドンはオリンピアで行われる競技の守護神でもあり、古代ギリシャの馬術競技や戦車競走においても彼に祈りが捧げられました。馬や戦車の神としての側面もあり、ギリシャの騎士や戦士たちは、ポセイドンから馬の力と技術の加護を得ようと信仰していたのです。
このように、ポセイドンは海と馬を支配する神として、人々に畏敬されると同時に、馬術や戦車競技などでも重要な役割を担っていたわけですね。