ギリシャ神話で「美少年」といえば、ナルキッソス、ガニュメデス、そしてアドニスが代表的です。彼らは、その端麗な容姿ゆえに神々に愛される存在であり、さまざまな運命や悲劇に巻き込まれることとなりました。
ギリシャ神話に登場する「ペット」として有名な存在には、強力な力を持つ神々の動物たちが挙げられます。これらの「ペット」は単なる愛玩動物ではなく、神話の中で重要な役割を果たす守護者や象徴として描かれているのが特徴です。
まず、ハデスに仕える「ケルベロス」は、三つの頭を持つ犬で、冥界の門を守る役割を担っています。生者が冥界に入るのも、死者がそこから出ることも許さないという役割を持ち、英雄ヘラクレスとの試練の一環としても登場しました。そんなケルベロスは、死と再生の境界を守る象徴ともいえます。
Cerberus by William Blake
ウィリアム・ブレイクがダンテの『神曲』のために描いた地獄の番犬ケルベロスの姿
(出典:Wikimedia Commons Public Domainより)
また、アテナに仕えるフクロウも有名です。フクロウは知恵と真実の象徴であり、アテナの聖なる鳥として彼女の肩に止まって描かれることもありました。このフクロウはアテナの知恵を象徴し、彼女の守護動物でもあるのです。
さらに、太陽神ヘリオスに仕える「火を吹く馬」も神話では重要な「ペット」として登場します。この馬は「太陽の戦車」を牽引し、毎日天空を巡ることで昼夜を分けている存在です。神話の中ではヘリオスの力を象徴する動物として、特別な役割が与えられているんですね。
このようにギリシャ神話の「ペット」たちは、単なる愛玩動物ではなく、神々の力や性質を表す重要な存在として描かれているのです。