The Owl of Athenaアテナーのシンボルであるフクロウが描かれた作品。知恵の女神としてのアテナーの象徴(出典:Wikimedia Commons CC BY 2.5より)
ギリシ
ギリシャ神話では、ライオンは力や威厳、英雄的な力を象徴する動物として、特に強大な敵や試練の象徴として登場します。中でも有名なのが、英雄ヘラクレスが倒した「ネメアの獅子」で、この怪物は神話における試練と勝利の象徴となっています。
ネメアの獅子は、強靭な皮膚を持つ恐るべき怪物で、人間の武器では傷つけられない存在でした。ヘラクレスは「十二の功業」の最初の試練として、戦いの末に素手で締め上げてライオンを仕留めます。この勝利により、ヘラクレスは「英雄の象徴」としての地位を確立し、ネメアの獅子の皮は彼の戦闘装備の一部として身に纏われ、「無敵の力」を示す象徴となったのです。
Heracles and the Nemea Lion/ペーター・パウル・ルーベンス作
ヘラクレスがネメアの獅子を絞め上げようとしている様子を描いた作品。
(出典:Wikimedia Commons Public Domainより)
さらに、ギリシャ神話の天空においても、ネメアの獅子は「獅子座」として星座にされ、天に輝くことでその伝説が永遠に記憶されることになりました。こうしてライオンは、神話においては英雄的な力や勇敢さの象徴として特別な意味を持っていたわけですね。