スフィンクスはギリシャ神話に登場する怪物で、人間の女性の顔とライオンの体、そして鷲の翼を持つとされる神秘的な存在です。その性格が「謎めいて知恵深い」とされるのは、彼女が知識を試し、難解な問いかけで人々を惑わす役割を担っていたためです。

 

 

難問を問いかける知恵の象徴

スフィンクスは、古代都市テーバイの入り口に座し、通りかかる者に「朝は四本足、昼は二本足、夕方は三本足になるものは何か？」という有名な謎を問いかけました。この問いに答えられなかった者は、容赦なく命を奪われたと言われています。彼女の問いは知恵を試すものであり、答えを導ける者だけが彼女の前を通ることが許されるという厳しいものでした。このような行動から、スフィンクスは「知恵深い存在」とされるのです。

 

Oedipus and the Sphinx by François-Xavier Fabre
フランソワ＝グザヴィエ・ファーブルによる「オイディプスとスフィンクス」。ギリシャ神話の著名なエピソードを描いた作品で、スフィンクスが謎を出している場面を表現。
（出典：Wikimedia Commons Public Domainより）

 

神秘的で謎に満ちた存在感

スフィンクスはまた、その異形の姿と冷酷さからも「謎めいた存在」として語られてきました。人間と獣、鳥の要素を併せ持つ彼女は、人知を超えた知識と力を象徴し、その外見自体が神秘性を高めています。多様な生物の特徴を持つ彼女の姿は、人間には理解しきれない複雑な知恵と謎に満ちているとされたのです。

 

人間の知恵と勇気を試す試練

スフィンクスの謎を解いたのは、英雄オイディプスでしたが、彼が答えを正解したことでスフィンクスは自ら命を絶ちます。このエピソードは、知恵と謎に満ちた彼女が、知恵を試す役割を果たす一方で、その力が理解されたときに消えていく運命にあることを暗示しています。スフィンクスは、自らの知識と試練を通じて、人間に知恵の大切さを教える存在だったといえるでしょう。