ギリシャ神話における「力の神」といえば?

ギリシャ神話において「力の神」として知られる神は、「クラトス(Kratos)」です。クラトスは、主に力や強さを象徴する神格で、しばしばゼウスの支配を補佐する役割を担っています。

 

クラトスは、力と権力を象徴する存在で、通常は権威をもつ神々に仕え、特にゼウスの命令に従って任務を遂行します。ギリシャ神話に登場する彼の役割は、単独で力を振るうというよりも、他の神々を助けて権威を確保するための補佐を行う点が特徴です。

 

プロメテウスの縛り

プロメテウスの縛り/1795年ジョン・フラックスマン作
クラトスとビアがプロメテウスを山に縛りつける場面を描いた作品
(出典:Wikimedia Commons Public Domainより)

 

クラトスはゼウスの命により、プロメテウスを捕らえ、彼を岩に縛り付ける役割を担いました。このエピソードは、クラトスがゼウスの「力」として機能し、権力の保持を助ける存在であることを象徴しています。

 

クラトスの家族

クラトスは、ポンテスとステュクスの子供であり、兄弟には「ビア(暴力)」「ゼロス(熱意)」「ニーケー(勝利)」などがいます。これらの兄弟は、力や戦い、熱意など、ゼウスの強力な属性に関連する神々であり、しばしばオリンポスの神々に協力し、権力を支える役割を果たします。

 

クラトスはしばしば戦いの神々や英雄たちとともに語られることもあり、神々の中で戦いにおける力や権威を表す象徴的存在として位置づけられています。