ギリシャ神話で「美少年」といえば、ナルキッソス、ガニュメデス、そしてアドニスが代表的です。彼らは、その端麗な容姿ゆえに神々に愛される存在であり、さまざまな運命や悲劇に巻き込まれることとなりました。
ギリシャ神話で「人間の美女」として有名な存在には、ヘレネやアンドロメダ、そしてエウロペが挙げられます。彼女たちはその美しさゆえに神々や英雄を魅了し、神話の重要な出来事に関わることになります。
まず、最も有名なのがヘレネです。彼女はスパルタ王メネラオスの妻であり、その美貌が原因でトロイア戦争が引き起こされました。ヘレネは「世界一の美女」と称され、トロイアの王子パリスに誘拐されたことで、ギリシャ全土を巻き込む大戦争が勃発したのです。
Abduction of Helen by Jean Tassel
ジャン・タッセルによる1660年頃の作品「ヘレネの誘拐」。トロイの美しいヘレネがパリスに誘拐される情熱的でドラマチックな瞬間を描く
(出典:Wikimedia Commons Public Domainより)
また、アンドロメダも英雄ペルセウスとの神話で有名です。アンドロメダはエチオピア王妃カシオペアの娘で、母の自慢話が神々の怒りを買ったため、海の怪物の生け贄にされかけました。彼女の美しさに惹かれたペルセウスは、見事に怪物を倒し、彼女を救い出して妻としました。
さらにエウロペは、その美貌によってゼウスをも魅了した女性です。ゼウスは彼女に会うため白い牡牛に姿を変え、彼女を誘拐してクレタ島へ連れていきました。彼女の名は、のちに「ヨーロッパ」の語源になったとされています。
このように、ギリシャ神話に登場する美女たちは、その美しさで運命が大きく動かされる存在なのです。