ギリシャ神話にみる「へびつかい座」の由来

 

へびつかい座」と呼ばれる星座は、「医学の父」とも言われるアスクレピオスの物語と深い関係があります。彼がいかにして治癒の力を手にし、星座として天に昇ったのか。その壮大な神話には、命を守る責任と神々の力が交錯するドラマが秘められてるのです。以下でそんなへびつかい座をギリシャ神話の観点から読み解いていきましょう!

 

 

へびつかい座の特徴

意匠および名前の由来

へびつかい座は、蛇を両手で掴む人物を象徴する星座で、名前は、ギリシャ神話の治癒の神アスクレピオスとヘビのエピソードに由来しています。このエピソードで蛇はアスクレピオスの蘇生術の根源として描かれ、彼が医学の知識を操る姿が星座に昇華したのです。

 

見れる場所

へびつかい座は、夏の夜空で観測できる星座です。しかし、その大きさと形の複雑さから、観測にはある程度の経験が必要です。北半球では、さそり座や射手座の近くに位置し、晴れた夜に双眼鏡や望遠鏡を使うと見つけやすいでしょう。

 

構成する天体

へびつかい座にはいくつかの興味深い天体があります。代表的なのは、惑星状星雲NGC 6572や球状星団M10M12です。また、星座内に位置する恒星「ラサルハグ(α星)」が最も明るい星として知られています。

 

へびつかい座関係キャラ

アスクレピオス

アスクレピオスは、医術を極めた存在としてギリシャ神話に登場します。彼は、太陽神アポロンと人間の女性コロニスの間に生まれ、幼い頃から医術の才能を見せていました。神話では死者を蘇らせる力を持ったため、神々の嫉妬と恐れを招くこととなります。

 

アポロン

アポロンは、アスクレピオスの父であり、医学の技術を彼に授けた存在です。また、アスクレピオスが命を落とした際には、彼を天に昇らせるようゼウスに嘆願したとも伝えられています。

 

ゼウス

ギリシャ神話の最高神ゼウスは、アスクレピオスが死者を蘇らせる力を持つことに危機感を覚え、雷で彼を打ち倒しました。しかし、後にその功績を認め、「へびつかい座」として彼を星座に昇らせたのです。

 

へびつかい座の神話

「へびつかい座」の由来となる物語は、伝説的な医師アスクレピオスの驚異的な治癒の力と、その力によって引き起こされる神々の怒りを中心に展開されます。彼の物語は古代ギリシャ神話に深く根ざしており、医学の発展だけでなく、倫理的な問題にも光を当てているんです。以下で、その神話の流れを詳細に見ていきましょう。

 

蘇生術の発見

アスクレピオスは、ギリシャ神話における医術の神アポロンの息子であり、幼い頃から父神から医術の知識を受け継ぎました。彼はその才能を活かし、あらゆる病を治す力を身につけた名医として知られていました。

 

そんなアスクレピオスはある日、ヘビが別の死んだヘビに薬草を与えて蘇生させたことからヒントを得て、「死者を蘇生する術」を発見。以後、より多くの人々を救うようになるのです。

 

ゼウスの怒りを買う

しかし、この蘇生術は運命を司る三女神モイライの領域に踏み込むものであり、人間が神の領域に手を出したことは、天界のバランスを崩す行為としてゼウスの怒りを買ってしまいました。

 

天に昇るアスクレピオス

ゼウスはアスクレピオスの行為を止めるため、彼を雷で撃ち殺してしまいました。しかしアスクレピオスの医術によって救われた人々やアポロンの願いもあり、彼の功績を讃える形で「へびつかい座」として星座に昇格させたのです。

 

これによりアスクレピオスの伝説は後世にわたり医学の象徴として語り継がれるようになり、医師のシンボルである「アスクレピオスの杖」の由来ともなったわけですね。

 

へびつかい座の教訓

「へびつかい座」の神話は、人間の力が持つ可能性と危険性の両面を描いています。治癒の力を象徴するアスクレピオスの姿は、医療や科学の発展への希望を表しながらも、行き過ぎた力を持つことの責任を教えてくれています。

 

ゼウスの行動は、一見理不尽にも思えますが

 

  • 「人間が超えてはいけない一線(神の領域)がある」
  • 「秩序を守るためには時に残酷な決断も必要である」

 

という教訓を孕んでいるともいえるでしょう。

 

以上、ギリシャ神話にみる「へびつかい座」の由来についての解説でした!

 

ざっくりと振り返れば

 

  • へびつかい座は医学の象徴アスクレピオスに由来
  • 死者を蘇らせる力がゼウスの怒りを招く
  • 人類の希望と責任を描いた神話

 

・・・という具合にまとめられるでしょう。

 

ようは「力と責任、希望の象徴」という点を抑えておきましょう!