ケルベロスはギリシャ神話に登場する冥界の番犬で、三つの頭を持ち、冥界の門を守護する役割を果たしています。その性格が「忠実で警戒心が強い」とされるのは、彼が神話において忠実な守護者であり、侵入者に対して非常に厳しい警戒心を示すためです。

 

 

冥界の門を守る忠実な番犬

Cerberus by William Blake
ウィリアム・ブレイクがダンテの『神曲』のために描いた地獄の番犬ケルベロスの姿
（出典：Wikimedia Commons Public Domainより）

 

ケルベロスは冥界の王であるハデスに仕える忠実な番犬として描かれています。彼は冥界の門を厳重に守り、死者が外に出ることや、生者が侵入することを許しませんでした。このように、ケルベロスは主であるハデスの命に従い、冥界の秩序を守るために忠実な役割を果たしていたのです。その忠実さが、ケルベロスの性格を象徴する重要な要素となっているわけですね。

 

外敵を寄せつけない強い警戒心

ケルベロスのもう一つの特徴は、その強い警戒心です。彼の三つの頭は冥界の門のあらゆる方向を監視し、不審な者が近づけば即座に威嚇し、排除するようになっています。彼のこの鋭い警戒心は、侵入者に対して一切の容赦を見せず、厳しい姿勢で臨む性格を表しています。そのため、ケルベロスは「警戒心が強い存在」として知られるようになったのです。

 

忠実さと警戒心がもたらす冥界の秩序

ケルベロスの忠実さと警戒心は、冥界の秩序を守るために不可欠なものでした。冥界は死者が安らかに眠る場所であり、その秩序を保つためにケルベロスが門番として存在することが重要だったのです。ケルベロスは、ハデスに仕える守護者として、自らの使命を忠実に果たし続けることで、冥界の平穏を保つ役割を果たしていたといえるでしょう。