ギリシャ神話で「美少年」といえば、ナルキッソス、ガニュメデス、そしてアドニスが代表的です。彼らは、その端麗な容姿ゆえに神々に愛される存在であり、さまざまな運命や悲劇に巻き込まれることとなりました。
ギリシャ神話で「巨人」といえば、まずティーターン神族(ティタンズ)やギガース(ギガントス)が挙げられます。彼らは神々に匹敵する強大な力を持ち、ゼウス率いるオリンポスの神々と幾度も激しい戦いを繰り広げた存在です。
The Battle Between the Gods and the Titans/1600年頃 ジョアヒム・ウィテウェール作
オリンポスの神々とティーターン神族との壮大な戦いを描いた作品。力強い表現が特徴。(出典:Wikimedia Commons Public Domainより)
ティーターン神族は、原初の神々であるウラノスとガイアから生まれた巨人の神々で、クロノスやレアもその一員です。特にクロノスは、ゼウスの父として知られ、息子であるゼウスによって支配権を奪われるまで天空を治めていました。ティーターン神族とオリンポスの神々との戦い「ティタノマキア」は、神話の中でも有名な戦いのひとつです。
また、ギガースたちは「ギガントマキア」でゼウスや他の神々と戦った巨人たちで、ガイアの子として描かれます。中でもアルキオネウスやエンケラドスといった強大な巨人が登場し、大地を揺るがすような激しい戦いが繰り広げられました。ギガースたちは、自然の力そのものを象徴しているとも言われます。
こんな感じで、ギリシャ神話に登場する巨人たちは、オリンポスの神々に挑む存在として描かれ、神話世界の秩序と混沌の境界を象徴しているのです。