ギリシャ神話における「星の神」といえば?

ギリシャ神話における「星の神」といえば、まずアストライオスが挙げられます。アストライオスは「星と夜空の神」とされ、特に星々や惑星の運行、夜空の神秘を司る存在です。彼はティーターン神族の一柱で、夜の女神エオスとの間に、風の神々(ゼピュロス、ボレアス、ノトス)や星の神々であるアステリオイたちをもうけました。アストライオスは星座や天体の運行を支配し、夜空を輝かせる星々を生み出したとされています。

 

Astraeus

Astraeus
星と夜空の神アストライオスを象徴的に描いたエングレービング。夜空と星座の神としての役割を持つ。
(出典:Wikimedia Commons Public Domainより)

 

また、アストライオスと共に「星」を象徴する神々としては、彼の子供たちであるアステリオイ(星の精霊たち)がいます。アステリオイは夜空に輝く個々の星々を司り、特に海や航海において星の位置が重要だった古代では、星を見て道を定める際に人々の信仰を集めていたのです。星々の運行が日常生活や自然のサイクルと深く結びついていたため、アステリオイたちは夜空の道しるべとして重要な役割を担っていました。

 

さらに、星や天体を象徴する存在としてヘカテも重要です。ヘカテは月や魔術の神であり、特に夜の時間帯や月の満ち欠けに関わる神秘的な力を持つ女神です。彼女は星々がきらめく夜空の領域に親和性を持ち、星や月の光と共に闇の神秘を支配する存在とされました。夜空に輝く星と月は、ヘカテの魔術的な力を強め、彼女を崇拝する者たちにとって神聖な象徴とされていたのです。

 

このように、アストライオスアステリオイ、そしてヘカテは、それぞれ異なる形で「星」を司り、夜空の神秘と輝きをもたらす重要な役割を担っていました。

 

こうしてみると、ギリシャ神話における星の神々は、夜空を通じて人々の生活や信仰に影響を与え、神秘的な存在として崇拝されていたのですね!