ギリシャ神話の「冒険譚」は、英雄たちの勇敢な物語が豊富で、時代を超えて愛されてきました。さまざまな英雄が危険な試練に立ち向かい、数々の冒険を通して成長し、神々の試練や怪物との戦いに挑んでいきます。本記
「ラグナロク」は北欧神話における世界の終末を指す言葉であり、ギリシャ神話には直接同じ概念は存在しませんが、終末や大規模な神々の戦いを描いた神話的な出来事として、ギリシャ神話にもそれに似た要素が見られます。ティータノマキアやギガントマキアといった壮絶な神々の戦いがそれに該当します。
ティータノマキアは、オリンポス神族(ゼウスたち)がティタン神族と戦ったもので、ゼウス率いる新たな世代の神々が、古い世代の神々(ティタン神族)を打ち破り、世界を支配する流れが描かれています。オリンポス神族と巨人族が戦う「ギガントマキア」も、終末的な戦いを想起させ、神々の秩序が危機にさらされる場面ですね。
Ragnarök/1905年頃 エミール・ドプラー作
アースガルズが炎に包まれるラグナロクの最終段階を壮大に描いた作品。(出典:Wikimedia Commons Public Domainより)
このように、ギリシャ神話には「ラグナロク」のような「世界の終末」そのものは存在しませんが、「神々が壮絶な戦いを経て新たな秩序が築かれる」という物語が、ティータノマキアやギガントマキアとして描かれ、神話における世代交代や秩序の更新を象徴しているのです。