ギリシャ神話における「月の女神」といえば?

ギリシャ神話における「月の女神」といえば、セレーネがまず挙げられます。セレーネは「月そのもの」を象徴する女神であり、夜空に輝く月として毎晩天空を旅する姿が描かれます。彼女は白い馬に引かれた月の馬車に乗り、地上を柔らかい光で照らし出すとされました。セレーネの美しい姿とその光は、古代ギリシャの人々にとって神秘と憧れの対象であり、特に夜の静寂や自然の移ろいと結びついて崇拝されていました。

 

Selene and Endymion by Victor Florence Pollett

Selene and Endymion by Victor Florence Pollett
月の女神セレーネが恋人エンデュミオンを見つめる様子を描いた作品。月光の下でのロマンチックなシーン。
(出典:Wikimedia Commons Public Domainより)

 

アルテミスもまた「月の女神」としてよく知られています。アルテミスはもともと狩猟の女神ですが、後に「月」とも深く結びつき、特に満月の神聖な輝きを象徴する存在とされました。彼女は狩猟や自然の守護者であると同時に、夜に狩りを行う神としても信仰されていたため、月の光と共に描かれるようになったのです。アルテミスの月の女神としての側面は、純潔と自然の調和を象徴し、自然界における神秘的な美しさを体現しています。

 

さらに、ヘカテも夜や月に関連する女神として知られています。ヘカテは特に新月や闇夜に力を発揮し、魔術や冥界とも結びつく存在です。彼女は三つの顔を持つ「三重の女神」として描かれ、月の満ち欠けや暗闇の神秘と関連づけられることが多いです。ヘカテは神秘的な力を持つとされ、特に夜間の道や交差点を守護し、魔術や予言の力を持つと信じられていました。

 

このように、セレーネアルテミス、そしてヘカテは、それぞれ異なる形で「月」に関わり、夜の神秘や自然界の美しさを象徴する重要な女神たちでした。

こうしてみると、ギリシャ神話における月の女神たちは、それぞれが異なる側面から夜の美しさや神秘を照らし、私たちにさまざまな月の姿を見せていたのですね!