ネメシスはギリシャ神話における復讐と正義の女神であり、特に「厳格で正義感が強い」性格を持つことで知られています。彼女の性格がそう評されるのは、過剰な行いに対して冷静かつ公平に裁きを下す存在であり、神々からも一目置かれる厳格さを持っているからです。
ネメシスは、特に「傲慢(ヒュブリス)」とされる行いに対して容赦なく罰を与える女神として描かれています。彼女は、栄光や富を得た者がその立場に奢り、他者を見下すような行動に出た際に、厳格にその過ちを正しました。彼女の厳格さは、人間の行動を公平に見守り、必要であれば容赦なく裁きを下す性格を示しています。
Nemesis by Albrecht Dürer/1502年頃
復讐の神ネメシスを描いたデューラーのエングレービング。正義と天の裁きを象徴する秤を持つ。
(出典:Wikimedia Commons Public Domainより)
ネメシスは単なる復讐の女神ではなく、正義とバランスを司る存在でもあります。彼女は人間や神々が自己中心的に行動することなく、正当な範囲でその力や恩恵を受けるべきと考えていました。そのため、ネメシスの正義感は冷静かつ厳正であり、常に公平な視点から行動を判断することが特徴です。こうした冷静さが、ネメシスを「正義感が強い」存在として際立たせています。
ネメシスはまた、善悪や栄枯盛衰が適切なバランスで保たれるように見守る役割を担っています。人々が不正に利益を得たり、他者に対する思いやりを欠いた行いをした場合、彼女はそれを正すための罰を与えました。このようにして、ネメシスは秩序と調和を重んじる女神として、その厳格な性格を貫いているのです。
このようにネメシスの性格が「厳格で正義感が強い」とされるのは、彼女が傲慢を戒め、正義と公平を守るために冷静で厳格な裁きを下す存在だからです。秩序と調和を保つために必要な罰を与える彼女の姿勢が、神話における厳格で正義感の強い存在として今も語り継がれているのです。