ギリシャ神話で「美少年」といえば、ナルキッソス、ガニュメデス、そしてアドニスが代表的です。彼らは、その端麗な容姿ゆえに神々に愛される存在であり、さまざまな運命や悲劇に巻き込まれることとなりました。
ギリシャ神話に「天使」的な存在として該当するのは、イリスやニケが挙げられます。この二柱は神々と人間の間を行き来する役割を持ち、平和や勝利をもたらす「良き知らせの象徴」として天使的な性質を備えています。
イリス(Iris)は虹の女神であり、神々の伝令として働きます。特にゼウスやヘラに仕え、彼らの言葉を人間や他の神々に届ける役割を持ち、ギリシャ神話では重要な存在です。虹の架け橋を通じて天空と地上を結ぶため、「天上と地上を繋ぐ使者」として、天使のように愛されました。
Iris Carrying the Water of the River Styx to Olympus for the Gods
虹の女神イリスがステュクス川の水をオリンポスの神々へ運ぶ様子を描いた作品。彼女のメッセンジャーとしての役割と速さを象徴。
(出典:Wikimedia Commons CC0 1.0より)
また、ニケ(Nike)は勝利の女神で、しばしば翼を持つ姿で描かれます。彼女は戦いや競技に勝利をもたらす象徴で、英雄たちに勇気を与える存在です。神々や人間が求める「勝利の象徴」であり、光り輝く姿が天使的なイメージを持っています。