ギリシャ神話の重要な出来事を時系列順に紹介

ギリシャ神話の重要な出来事を時系列順に紹介

ギリシャ神話には、神々や英雄たちによる壮大な戦いや冒険が数多く描かれています。以下は、特に重要な出来事を時系列に沿ってまとめたものです。

 

 

ティータノマキアー(ティタン族との戦い)

The Battle Between the Gods and the Titans/1600年頃 ジョアヒム・ウィテウェール作
オリンポスの神々とタイタンとの壮大な戦いを描いた作品。力強い表現が特徴。(出典:Wikimedia Commons Public Domainより)

 

ティータノマキアーは、オリンポス神族が支配を確立するために、強大なティタン神族と戦った壮絶な戦争です。ゼウスが兄弟たちと共にティタン神族に挑み、10年間の激戦の末、ついに勝利を収めたのです。この勝利により、ゼウスたちはオリンポス山に居を構え、神々の支配が確立されました。

 

ギガントマキアー(巨人族との戦い)

Gigantomachy/1841年 ミシェル・ドリニー作、サイモン・ヴュエに基づく
ギリシャ神々と巨人たちの戦いを豪華で詳細な様式で描いた作品。

(出典:Wikimedia Commons Public Domainより)

 

 

ティタン族との戦いの後、地母神ガイアは、ゼウスの支配に反対し、巨人族(ギガス)を生み出して神々に戦いを挑ませました。この「ギガントマキアー」では、ゼウスやアテナ、ヘルメスらが巨人たちと戦いを繰り広げ、再び神々が勝利しました。ギガントマキアーは、オリンポスの神々が揺るぎない支配力を持ったことを象徴しています。

 

ヘラクレスの12の難行

Hercules and the Lernaean Hydra by Gustave Moreau

Hercules and the Lernaean Hydra by Gustave Moreau
ヘラクレスがレルネーの湖の怪物ヒュドラと戦う様子を描いた1875-1876年の作品
(出典:Wikimedia Commons Public Domainより)

 

ゼウスの息子であるヘラクレスは、償いとしてエウリュステウス王から12の難行を課されました。ネメアの獅子討伐、レルネのヒュドラ退治、アウゲイアスの厩舎掃除など、超人的な力が試される試練をすべて乗り越えたのです。この難行を達成したことで、ヘラクレスは英雄として不朽の名声を得ました。

 

カリュドーンの猪狩り

The Hunt of the Calydonian Boar/バッティスタ・ドッシ作、1520年以降
英雄メレアグロスと女英雄アタランテが凶暴な猪と戦う様子を描いた作品。(出典:Wikimedia Commons Public Domainより)

 

カリュドーンの王オイネウスがアルテミスへの供物を怠ったため、アルテミスは巨大な猪を送り込み、国を荒らしました。英雄たちが集い、この猪を仕留めるべく共闘する「カリュドーンの猪狩り」が行われ、多くの英雄が参加しました。この狩りは、後のアルゴー船の冒険やトロイア戦争に登場する英雄たちが活躍する重要な機会となりました。

 

アルゴー船の冒険

Argo/コンスタンティノス・ヴォラナキス作
ギリシャの海景画家によるアルゴー船の船出(出典:Wikimedia Commons Public Domainより)

 

イアソンがアルゴー船に乗り、黄金の羊毛を求める冒険に出た物語です。ヘラクレスやオルフェウス、カストルとポリュデウケースなど、多くの英雄が同行し、数々の試練を乗り越えました。この冒険は、神々の加護と人間の勇気が交錯する物語として、ギリシャ神話における英雄譚の一つとなっています。

 

7将によるテーバイ攻め

7将によるテーバイ攻め/1826年 アンジェリーク・モンジェ作
オイディプスの息子たちによる権力争いを背景に、テーバイを攻める7人の将軍を描いた歴史画。(出典:Wikimedia Commons Public Domainより)

 

テーバイの王座を巡る争いにおいて、王の座を追われたポリュネイケースが、7人の将を集めてテーバイに攻め入りました。7将の中には強力な英雄が揃っていましたが、戦いは悲劇的な結果に終わり、ほとんどの将が命を落とすことになります。このテーバイ攻めは、王家の複雑な因縁と呪いが関わった物語として有名です。

 

エピゴノイ(テーバイ攻めの子供たちによる報復)

7将の戦いで命を落とした英雄たちの子供たちが、「エピゴノイ」として成長し、テーバイへの報復戦を決行しました。エピゴノイは父たちの無念を晴らし、テーバイを陥落させることに成功します。父親たちの失敗を引き継ぎ、遂に勝利を手にしたエピゴノイの戦いは、親子の因縁の物語として語り継がれています。

 

不和の林檎とパリスの審判

The Judgement of Paris by William Etty

コンスタンチン・マコフスキー作『パリスの審判』
トロイの王子パリスがヘラ、アテナ、アフロディテの中で最も美しい女神を選ぶことを求められた神話。アフロディテが最終的に勝利し、ヘレンの愛をパリスに約束した。
(出典:Wikimedia Commons Public Domainより)

 

不和の女神エリスが、トロイア王子パリスに「最も美しい女神を選ぶ」ように促したのがきっかけで、ヘラ、アテナ、アフロディテの三女神が争いました。パリスはアフロディテを選び、その報酬としてスパルタ王妃ヘレネを与えられました。この出来事がきっかけで、トロイア戦争が勃発することとなります。

 

トロイア戦争

The Burning of Troy by Johann Georg Trautmann

トロイの焼失/ヨハン・ゲオルク・トラウトマン作
トロイア戦争の悲劇的な終結を描いた18世紀の作品
(出典:Wikimedia Commons Public Domain<より)

 

パリスがスパルタ王妃ヘレネを連れ去ったことにより、トロイア戦争が勃発しました。ギリシャ軍とトロイア軍は10年間にわたって戦い、最終的に「トロイの木馬」の策略によってトロイアは陥落しました。神々もこの戦争に介入し、壮絶な戦いが繰り広げられました。

 

ヘラクレイダイの帰還

ヘラクレスの死後、彼の子孫たちは長きにわたって国を追われていましたが、最終的にギリシャ各地の王国を征服し、「ヘラクレイダイの帰還」を果たしました。この帰還は、ヘラクレスの血統がギリシャ各地で支配力を持つきっかけとなり、以後のギリシャ神話における歴史的な変遷の礎となりました

 

 

 

以上、重要な出来事を時系列順にまとめました。このように、ギリシャ神話には戦いや冒険、復讐といった壮大な物語が展開されています。それぞれが神々や英雄たちの関係を深め、歴史を動かす重要な出来事となっていることを知っておきましょう。

 

こうしてみると、ギリシャ神話には様々な英雄と神々が登場し、壮大な歴史が織りなされているのがわかりますね!